大学生の時の話です。
私は、大学3年から一人暮らしを始めました。人生初の一人の時間を満喫してはいましたが、夜になると金縛りや幽体離脱がやはり頻繁にありました。
そんなある晩、恐怖体験をしました。ただの金縛りではなく、幽霊というものに遭遇してしまったのです。
夜、ベッドに横になりウトウトしていると、いつもの様に金縛りが襲ってきました。身体が硬直し、なんとか金縛りを解こうともがきましたが全く解けず、いつもの金縛りとはちょっと違うなと感じていました。
手足を動かそうとはしましたが、硬直したままでした。せめて目だけでも動かそうと、瞼を開けようとしましたが、なかなか思うようにはいきませんでした。しかし、何度か繰り返している内に、何とか瞼が開くようになりました。しかし、瞼を開いた先には、恐ろしいものが待ち受けていたのです。
それは、老婆の顔面だったのです。
年の頃、80才ぐらいの老婆が、私の顔をのぞき込んでいたのです。
老婆と私の顔の距離は、10cmもなかったと思います。まさしく眼前に老婆の顔が出現した状態でした。
恐怖におののいた私は、布団の中に潜り込みました。さっきまで身体は硬直していたはずですが、不思議なことにこの時は動きました。しばらく布団の中でぶるぶる震えていましたが、恐る恐る布団から顔を出し、ベッドの周りを見渡してみました。
すると、先ほどの老婆が、今度はベッドの横に立っていたのです。よく見てみると、背丈は150cm位の小柄な方で、白髪は整えられ、白い着物に紫色の袴を履いていました。その方の表情は穏やかで、軽くほほ笑んでいたように思います。その老婆は、私の方を見ながら平行移動し、部屋に置かれたタンスの中へ消えていきました。
眼前に老婆の顔が現れた時は、恐怖心しかありませんでしたが、しばらくすると、恐怖心だけではなく、ある種の安堵感を感じている自分もいました。
後日、この体験を自分なりに分析しました。まず、この女性は、母方の祖母に顔立ちや雰囲気が似ているということに気付きました。この時、祖母は健在でしたので、曾祖母以前のご先祖様なのかと直感的に思いました。また、身に着けている物や表情から、割と品のある女性だったのが分かりました。出現の仕方が突拍子もなかったので恐怖心に駆られてしまいましたが、冷静に考えると私を護る立場の方だったのかなと思いました。
この体験以降この女性が出現することはありませんが、私の記憶の中には、色濃くすり込まれています。今でも、姿や表情が思い出せます。
あれから30年以上経ちます。今の私が解釈すると、いわゆる守護霊の様な存在だったのかなと思います。一人暮らしを始めたことで寂しさを感じたり、情緒的にも不安定だったりしていた時だったので、「見守っているよ。」ということを教えに来てくれたのかもしれません。
金縛りにあった時に霊が見えたのは、この体験以降ありません。霊的な存在を感じることはよくありますが、それは身体を押さえ込まれたり、手足を掴まれたり、性的な虐待を受けたりするなど、ネガティブなことが多いです。
しかし、この体験はポジティブな霊体験であったと思います。その後の人生においても、プラスに作用しています。護られているということ実感したり、ご先祖様を敬い感謝するきっかけを与えてくれたりする大切な経験になりました。
霊的な体験や宇宙的な体験は、その後もたくさん経験しました。低級霊の悪戯もあれば、宇宙と一体化する様な崇高な経験もあります。この頃頻繁に起こっていた金縛り体験は、その後の霊的な経験を迎える上での下地や免疫づくりになっていたのかなと思っています。
コメント
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