自分の性別に違和感 少年時代⑧

ガラスのような繊細な心をもっていた少年時代。

私は、周りとは少しだけ感覚が違っている不思議な子どもでした。

 

私は、物心ついた時から、自分が男性というカテゴリーに属していることに違和感がありました。

体の一部が女性とは違うということは認めざるを得ず、肉体的には男性なんだという自覚はありました。しかし、だからといって精神面まで男性かというと話しが違ってきます。

その当時(昭和後期)の「男性像」は、簡単に言うと「強く逞しい、弱音を吐かない、泣かない、女を守る」、女性像は「か弱い、おしとやか、控えめ、男に従順」と言ったところでしょうか。今思うと、「はぁ???」って感じですが、その基準で判断すると、私は女性に区分されるのではないかと思います。

その当時、世間が認めていた性の区分は、

◎「肉体的に男性」+「精神的にも男性」=男性

◎「肉体的に女性」+「精神的にも女性」=女性 この二種類のみです。

私のような存在は、

×「肉体的に男性」+「精神的には女性」=異常? 変態? 病気? 異端?

男性像・女性像なんて、その時代に都合よく作られているだけのものであって、何の一貫性も真理もありません。その像と自分自身の本質が一致している人もいたかとは思いますが、大多数ではなかったと思います。その像に当てはまらない人も、たくさんいたはずです。

この二種類の性別しか存在しないという前提で世の中は回っていました。LGBTなんて理解されるどころか、その言葉もありませんでした。だから特に、その時代のLGBTの人達は、男性像・女性像に見合った振る舞いや生活を強いられて大変だったと思います。世間体を保つために必死だったはずです。そういった努力が実を結び、男性と女性しか存在しない歪で不自然な社会が成立していました。今でも、意識の低い場所では、そのような社会のままですが…。

私にとって、女の子と遊ぶことはとても自然なことでした。おままごと、マスコット作り、エレクトーン、ピアノなどが大好きで、男の子が好むような激しい遊びは苦手でした。乱暴な漫画やテレビ番組も見ないし、付き合う相手も優しい女の子ばかりだったので、私の言葉遣いや物腰は柔らかかったと思います。

しかし、私の口調や振る舞い、趣味趣向が女性的であることで、ひどいイジメにあいました。しかも、その偏見に満ちた差別的な行為は、減ってきてはいますが、今でも続いています。

小学生の頃、一番辛かったのは、

「おかま」「女」「変態」「ホモ」「気持ち悪い(後に、キモイ)」等の言葉による中傷でした。これらの言葉を毎日のように浴びせられました。

私は、「おかま」という存在を知りませんでした。

「おかま」が何なのかを知る前から「おかま」と呼ばれていたのです。「おかま」という言葉の響きに加えて、「おかま」と罵ってくる相手のあざ笑い、冷淡な口調、馬鹿にするような冷たい目が、私を一層苦しめました。こういう言動に日々さらされると、「きっと、自分はみんなに嫌われているのだろう。」「何か変なところがある人間なのだろう。」と、自分のことを卑下するようになってくるものです。私は、「おかま」で、深く、傷ついてしまいました。

「おかま」という存在がどんな人達のことを言っているのかが分かるまで、そんなに時間はかかりませんでした。当時のテレビにも、今で言うお姉タレントの方々が出演していました。「あぁ、あれが“おかま”なんだ」と知り、悲しくなりました。私は、「おかま」で、二度、傷つきました。

※決してお姉タレントさんを否定しいる訳ではありません。むしろパイオニアとして敬意をもっています。

「ホモ」という言葉の意味も、よく分かりませんでした。

性自認がまだ定まっていない時から、「ホモ」「変態」と言われていたのです。当時は、少しでも女性的であると、すぐに「ホモ」と言われ、中傷され、笑いものにされる時代でした。私が高校生の頃、お笑い芸人とんねるずの「保毛尾田保毛男(ほもおだほもお)」というネタがテレビのゴールデンタイムに放送されていたことからも分かるとおり、「ホモ」という存在は、嘲笑の的だったのです。その番組があった次の日は、学校に行くのがとても辛かったです。社会の歴史の授業で、「ホモサピエンス」という言葉が出てくる時も、からかわれました。ホモゲ牛乳という商品も、意表をついて私の生活に飛び込んで来ることがあり、その度に、かなり焦りました(笑)。

 

「自分は自分なのだと思えたり」、「誹謗中傷に対してやり返せたり」、「自虐ネタにしたり」できるような性格ではなかったので、私は、どんどん自分を責める方へ向かっていきました。自己否定感に苛まれ、ガラスの心は、こなごなに砕け散っていきました。そして、心に暗い影ができてしまいました。

これが、私が小学生の時に感じていた、性違和に関する悩みです。

純粋な心のままに生きていた私が、大きく挫折した瞬間でした。

その後の性違和につても、お話ししたいと思います。

 

少年時代⑨につづく

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